「工具器具備品」と「機械装置」の違いって意外に重要です!
えんぴつを、「消耗品費」にしようが「事務用品費」にしようが、税金の額に差はないけれど、
冷蔵庫は、「工具器具備品」になるものか「機械装置」になるものかで税金の額が変わることがあります。
注意:わかりやすく説明するためにざっくりとした解説になっています。詳細な検討が必要なところですので、必ず専門家にご相談ください。
税理士は、2つの区分に気をつけている
こんにちは!税理士の若山です。
今日は、少し専門的なお話です。
私は、税務顧問のお客様の場合、勘定科目にはそれほどこだわりがありません。
例えば、えんぴつ。
「消耗品費」で処理されていようが「事務用品費」で処理されていようが興味がありません。経営者の方がわかりやすい方を選べばいいと思っています。
でも、固定資産の場合はちょっと事情が違ってきます。
「工具器具備品」なのか「機械装置」なのかは、めちゃくちゃ気になります。
なぜなら、どちらなのかによって、特別償却や税額控除が使えたり使えなかったりするからです。
固定資産とは、10万円以上のもので、買った値段の全額がその年の費用にならないもの。減価償却という方法で、国が決めた年数(耐用年数といい、種類によって年数が違います)にわたって費用にしていきます。
特別償却、税額控除って何?
ざっくりいうと、
特別償却とは、通常の減価償却よりも多く費用に落としてもらえる
税額控除とは、税金を安くしてもらえる
通常、特別償却と税額控除は同時に利用することはできず、どちらかを選んでくださいねとなっています。
じゃあ、なぜ国が税金上のメリットを用意してくれているのかというと、ずばり景気対策です。
事業主が大きな買い物をしてくれる→お金をたくさん使うから景気が良くなる
という構図ですね。
なので、この2つはその時々の経済状況によって制度が変わります。
ずっと同じ制度が存在しているのではなく、税制改正によって使える条件が毎年少しずつ変わっていきます。
いま(2018年11月現在)特別償却、税額控除が使える制度は
・中小企業投資促進税制
・中小企業経営強化税制(経営力向上計画)
・商業・サービス業・農林水産業活性化税制
注1 いずれも青色申告書を提出する中小企業が対象です。
注2 中古品は対象外です
注3 業種指定もあります
それぞれの制度は、要件が細かいので説明はここでは説明を省力します。
例えば、中小企業投資促進税制
対象となる設備は、下図のようになっています。(中小企業庁のパンフレットより)
160万円以上の機械装置ならば使えるけれども、工具器具備品ならば120万円以上の測定工具、検査工具に限定されています。
そうなのです。値段がいくらかも大切だけど、どんな固定資産か?も大切なのです。
でも、その区別は意外と難しい
理由は、法律にはっきりと書いていないからです。
種類も多いし、時代とともに新しいものも出てくるので明文化するのは無理ですものね。
じゃあ何をもって判断しているかというと、裁判の判決(平成19年10月30日採決)が参考になっています。(裁判になるほど区別が大切ということでもありますね)
判決文は難しいので、省略しますが
ざっくりというと
工具器具備品は、単体で機能を果たし、単独で使用するもの
機械装置は、複数のものが設備を形成して、設備の一部として機能を果たすもの
わかったようなわからないような
要するに、どんな使い方をしているのかをきちんと確認しないと区分を間違ってしまうのです。
パソコン上だけの数値や請求書だけを見ていると判断を誤る
↓
現場に行ってお客様の状況を確認する必要がある
↓
お客様のお仕事の現場の雰囲気やお仕事の内容を教えてもらえる!
これが、税理士業の一番面白いところだと、私は思っています。
編集後記
昨日は、1日事務所にて書類の整理
昨日のエクセサイズ
エアーなわとび 120回
膝つきプランク 30秒×3回→アラベスクプランク→膝なしサイドプランク(左右)30秒ずつ