スキャナー保存法が採用できなかったはなし
H28年に要件が緩和されて使いやすくなったというスキャナ保存法ですが、私は採用しませんでした。理由は、自分の事務所で試すことができなかったからです。
領収書の整理は面倒くさい
領収書の整理は面倒です。その都度整理していれば、それほどでもないのですが、溜まってしまうともう手をつけるのも嫌になります。
領収書の束がそこにあるのをわかっていながら、面倒だから、何かと理由をつけては先延ばしにしてしまい、結局、申告期限間際になって、徹夜して、もう経理なんて嫌だ!ということになります。
期限ギリギリになって段ボールで領収書の束を持ってこられるとすごく困るのですが、「お気持ち、よくわかります」とも思ってしまいます。
なので、この嫌な作業がなくなるいい方法はないものかと、私自身も良い方法を模索しています。
そんな私が数年前におっ!と思ったのが、スキャナ保存法です。一定を要件を充たして領収書などをスキャンすると紙での保存が必要なくなるというものです。平成28年に大幅に要件が緩和されました。
制度が緩和された当時は、各会計ソフトもスキャナ保存法に対応しています!というのを前面に押し出していたように記憶しています。
当時、私も調べましたが、結局は使えないと判断しました。
使えないと判断した理由
私は結局使わないと判断したのは、手順が割と面倒だったのに加え、自分自身で試すことができなかったからです。
スキャナ保存制度を採用するには、スキャナでの読み取りと原本確認に分業が必要とされています。これは、電子データは改ざんが容易なことから相互牽制の仕組みが必要だからです。ただし、小規模事業者のために特例があり、顧問税理士が定期的に検査すれば1人でもすべての作業を行うことも可能とされています。
そう、この顧問税理が確認することを条件に一人ですべての作業をおこなってもいいという箇所です。
一人税理士の場合は?となりました。自分が税理士やのに、顧問税理士なんているはずないやん!(うちは、厳密には一人税理士ではなくて母がいるのですが、紙でええやんと言われてしまいました)
国税庁に電話して聞いてみたのですが、「そんなことは想定していませんでした」で終わってしましました…
自分で試すことができないものをお客様に薦めることはできない。
というわけでその時点で却下となりました。
新しい技術には興味があるけれど、それを使うかどうかは別
会計業界に限ったことではありませんが、近年、技術革新には目覚ましいものがあります。パソコンもここ10年で随分と使いやすくなったなと感じます。クラウド会計や事務作業を削減できる新しい仕組みもどんどん登場しています。個人的には新しい技術には、興味があります。
でも、それが実際に仕事に使えるかどうかは別なんですよね。個人のお客様の場合は、IT知識にものすごく差があるのも事実です。こちらの都合にあわせて、こうしてくださいとは言えません。
それに、会計ソフトの導入には、費用もかかります。その方にとって、本当に必要かどうかで提案するように心がけています。
もちろん、ご自分でクラウド会計を使ってみたいという方には、導入コンサルも行っています!
編集後記
今日も、一日事務作業。溜まっていた仕事が片付いて、すっきりしました。
今日のお昼は、比較的暖かかったので、半そででも安心でした。