経営力向上計画って何?
経営力を向上させる取り組みを記載した「経営力向上計画」の認定を受けると、さまざまなメリットが受けられます。目に見えるメリットの他にも、経営を見直す一つのきっかけになるようです。
経営力向上計画
中小企業の経営力を向上させるための取り組みを記載した「経営力向上計画」所轄大臣に申請し、認定を受けると税制や金融支援などのメリットを受けられる制度です。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/
平成28年から実施されており、平成30年8月31日現在、68,532の中小企業が認定を受けています。
どんなメリットを受けられるの?
いろんなメリットがありますが、代表的なものは以下の通りです。
①特別償却などの優遇税制
⇒生産性を向上する設備を購入した際に、税金の優遇措置があります。
⓶所得拡大促進税制
⇒賃金を一定の条件のもとに増加させた場合、税金の優遇措置があります。
③政府系金融機関の低利融資
④M&A時の優遇税制
⇒不動産取得税や登録免許税の減免があります。
⑤補助金の優先採択
⇒補助金申請時に加点要件となります。
申請は難しくないの?
これだけメリットがあると申請は難しそうですが、申請書はたったの3枚です。
次の事項を記載します。
①企業の概要
②現状認識
③経営力向上の目標及び経営力向上による経営の向上の程 度を示す指標
④経営力向上の内容
⑤事業承継等の時期及び内容(事業承継等を行う 場合に限ります。)
経営力向上の内容といえば難しそうですが、国が事業分野ごとの指針を作成していますので、指針に沿って計画を作成すればOKです。http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/kihonhoushin.html
どの事業分野も、人手不足を乗り切るための人材育成、ITの活用、生産性を向上させる設備投資、財務管理をしっかりとするといった内容になっています。要は、日本が直面する課題に対応したものですね。
申請書を自社で作成するのが難しい場合は、認定支援機関のサポートを受けることもできます。
まとめ
実務上は、税制上の優遇措置や補助金申請のためにあわてて認定をうけるというケースが多いように思います。作成には時間と費用がかかりますので、目に見えるメリットがないとわざわざ認定を受けられる方は少ないです。
ただ、経営力向上計画を作成すると、自社の現状と課題を考えるきっかけになります。経営力向上計画の申請をきっかに、数字に興味を持ってくださったり、設備投資を計画的に考えるようになってくださったりするケースもあります。認定がまだの方は一度考えて見られてはいかがでしょうか?
若山会計事務所でも、経営力向上計画の作成をお手伝いしています。
編集後記
今日は、京都にて打合せ。試算表の見方を説明してきました。税金の話だけだと、事業のお話はなかなか聞けないのですが、試算表を見ながらだと、いろいろな話を聞くことができて私も勉強になります。