建物の取り壊し費用はバカにならないので、税金上も配慮が欲しい!
事務所を建て替えます。見積もりを取ったら解体費用がとても高いことにびっくりしました。事業用の建物だったのに、ほとんど税金上の配慮もなさそうなのでなんとかならないかな~
事務所を建て替えます
若山会計事務所の建物は、昭和40年代に建築されたので築50年ほどです。1971年以前に建築されているので、耐震基準も満たしません。そこで、3月いっぱいで取り壊すこととなりました。
もともと祖父が賃貸アパート用に建てた建物なので、鉄筋コンクリ―ト造りです。しかも、アスベストが使われています(当時は、防火対策で使わないといけなかった)。
そうなのです。取り壊し費用がバカにならないのです。
しかも、解体費用というのは年々上昇傾向にあるそうです。
我が家でも、この建物の処理は長年の懸案事項で、、母はこのためにコツコツと貯金をしていました。
税務上の取り扱い
個人が建物を取り壊した場合、解体費用の税務上の処理は、取り壊した建物の用途と取り壊しの理由によって異なります。ここでは、事業用の建物を取り壊した場合を考えます(非事業用はまた別の機会に)。
事業用の建物を取り壊した場合は、必要経費としてその期の損金に算入されます。ちなみに、取り壊した建物の帳簿価額が残っている場合も、その期の損金となります。
損金になるなら、一見良さそうです。
でも、解体費用が数千万円になる場合はどうでしょうか?よほど収入がある場合を除いては、その期の収入から引ききれません。損失の繰り越しもできますが、個人の場合は3年しか繰越ができません。確かに一部は収入と相殺できますが、収入と相殺できない部分がでてきます。
つまり、取り壊しに莫大な費用がかかるうえに、税金上も考慮しもらえない部分がでてくるということです。
財力がないと老朽化した物件は取り壊せない
ちょっと街を歩いていると昭和40年代に建築されたであろう鉄筋コンクリ―ト造りの建物は、たくさんあります。余力があるところは、建て直しができるけれど、財力がある人ばかりではないと思います。
上記のように、税金上もほとんど考慮されないのであれば、耐震基準を満たさなくても建物を建て替えようなんていう気にならないんじゃないでしょうか?危険家屋が増えているのは、税金の構造も一因になっていると思うのは私だけでしょうか?
編集後記
今日も、事務所にて確定申告の作業をしていました。単純そうにみえる案件でも、それぞれに悩むポイントというものはあるものです。