役員報酬は高すぎると思う

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世界的に役員報酬が高額化しています。個人的には、あまりにも高額な報酬は弊害の方が大きいと思います。

世界的に役員報酬が高額化している

日産のカルロス・ゴーン容疑者が、再逮捕されましたね。私は法律家ではありませんので、詳しい理屈はわかりませんが、保釈中の再逮捕は意外に感じました。検察側のやる気を感じます(コワイ…)。

日産の事件で、目をひくことと言えば役員報酬の高さではないでしょうか?世界的な大企業だとあんなにもらえるのかというのかというのが一般人の印象ではないでしょうか。

2018年9月3日に、東洋経済が発売した『役員四季報2019年版』によると年間1億円以上の役員報酬を得ている上場企業の役員は約500人いるそうです。

日本のサラリーマンの生涯賃金は2億円と言われていますので、年間1億円以上の報酬は高額ですね。

それでも欧米に比べると日本の経営者の報酬は低いと言われています。ストックオプションなどの長期的なインセンティブも含めるとアメリカでは、年間何十億円ももらう経営者が少なくありません。しかも日本を含め世界的に、役員報酬は増加の傾向にあります。

ストックオプションとは、自社の株式をある一定価格で株式を買うことができる権利のことを言います。報酬を株式市場から払うので、自社に資金的余裕がなくても高額の報酬を与えることが可能です。そのため、多くの企業で採用されています。

実際の制度設計はもっと複雑ですが、簡単に説明すればこんなカラクリです。

社長が就任当時の株価が100円でした。そこで、100円で自社株を購入する権利(ストックオプション)を社長に付与しました。社長が手腕を発揮し会社の業績が上向いたので、株価が500円になりました。この時点で、ストックオプションを行使すれば、時価500円の株式が100円で買えます。100円で買ってすぐに市場で500円で売却すれば、1株につき400円の利益を得ることができます。

高額な役員報酬にはそれなりに理由もある

大企業ともなれば、負っている責任も大きいですから、少ない報酬ではあわないというのは確かにあると思います。不祥事がおきたら責任をとらないといけませんしね。それに、世界標準で報酬が上がっていますし、条件が悪いのであれば、優秀な人材が集まりません。

高額役員報酬の弊害

だけど、私は、何十億円もの役員報酬はもらいすぎだと思っています。弊害の方が大きいからです。

  1. 業績測定が難しい
  2. 株価は短期的な業績測定の指標としては不適当
  3. 不正の動機になりやすい
  4. 格差の原因となる
  5. 世界標準が正しいとは限らない

業績測定が難しい

経営者の経営判断やアイディアは、確かに業績に影響します。

ただ、効果がでるまではタイムラグがあります。新規事業を行ってすぐに効果が出ることなんて稀です。数年はかかるものではないでしょうか?一度、失敗をしてダメだったけれど、改善を重ね稼ぎ頭に成長することだってあります。逆に、経費削減の結果、業績がV字回復したように見えても、現場が疲弊してしまって数年後に業績が落ち込むことだってあります。

短期的に業績を評価することなんて不可能じゃないかなと思います。

株価は短期的な業績評価の指標としては不適当

多額の役員報酬には、ストックオプションが付与される場合が多いです。役員報酬の多寡は株価に左右されます。

株価は長期的には企業価値を表しますが、短期的には気まぐれに動きます。景気の波にも左右されます。経営手腕がすごかったのではなく、単に市況が良かったということもありえます。

また、自社株買いをすれば、市場に出回る株式の数が減るので株価は上がります。

現にアメリカでは自社株買いは頻繁に行われてしますし、それって操作なんじゃない?と純粋に思います。

不正の動機になりやすい

高額の報酬は、優秀な人材のインセンティブになるといいますが、あまりに高額すぎると不正の動機になる場合の方が多いんじゃないかなと思います。

私だけかもしれませんが、数千万円で不正を働こうとは思いませんが、何十億となると自信がありません(;^_^

国際標準が正しいとは限らない

高額な役員報酬を容認する論拠に世界水準だから、欧米がこうだからという理由があります。

それって、正しいのでしょうか?

日本のやり方がすべてだとも思いませんが、アメリカ、ヨーロッパがそうだからっているのは違う気がします。

まとめ

高額な役員報酬がおかしい!と思っている理由を書き連ねてみました。

ひがんでいるみたいですね(;^_^

でも、企業は組織ですから、役員だけの功績ではありません。従業員と役員が100倍も200倍もあるのはおかしいんじゃないかなと思います。