税金を払う奴はバカ!
過激なタイトルに思わず手にとってしまった、大村大二郎さんの本の感想です。
税金を払う奴はバカ!
大村大二郎さんというもと国税調査官が執筆された本です。
日頃、「税金を払わないとお金は貯まりませんせんよ」と言っているので、
「なぬ?」
こんなバカなことを言う奴がいるのかと思い手に取りました。
感想
180ページほどの本ですが、サクッと読めるので1時間弱もあれば読めます。
感情を揺さぶられる内容でした。
筆者は、税金を払わなくていいなんて思っているわけではなく、むしろ税金はちゃんと払うべきだと思っていらっしゃいます。
アウトローな方でなくてひとまず安心です。
それでは、なぜ感情が揺さぶられたのか?というと
税制や財政の矛盾を痛烈に感じておられるからです。
少子高齢化、非正規雇用、富裕層や大企業への優遇税制などなど
どれもごもっともです。
こんな矛盾や問題を作り出す国家システムに税金を払うなら、どぶに捨てる方がましだと主張しておられます。
極端ですが、一理ありますね。
ブログに書いたわけ
節税手法については、同意できない方法もありましたが、以下の点については一致しています。
①格差を生むような社会システムはよくない
②税金の取られ方や使われ方に対して無関心なのはよくない
格差
税制が格差を助長しているという社会システムの欠点です。
私は、税金は富裕層からとるべきものだと考えています。でも、所得税の最高税率の引き下げなど、実際には富裕層への減税を繰り返しています。
こんなことを書くと、富裕層からの仕事の依頼は絶対にきませんね。仕方がないです。
経済的な格差が開きすぎるのはよくないと考えているからです。
開きすぎた格差というのは、将来、社会的なコストとして必ず跳ね返ってきます。
治安が悪くなったり、生活保護受給者が増えたり、医療費がかさんだりと社会保障費が増えていきます。
子供の貧困も増加傾向にあるといわれています。
子供の7人に1人が相対的貧困にあるといわれています。少子高齢化で、そうでなくても子供の人数が減っていくのが分かっているのに、貧困家庭の子供が増加すると大変なことになりそうです。特に十分な教育が受けられないことの影響は深刻です。
十分な教育が得られない→就業の機会が奪われる→まともな職業につけない→生活保護受給者となる。
こう書くと、優秀な人材が日本に残らないとか、夢がないとか、一生懸命働く気力が失せるという反論が必ずあります。
確かにそうかもしれませんが、そういう方は、すでに海外に移住されていると思います。
日本の税制云々とか関係なく、すでに自分の住やすい国で生活をされているのではないでしょうか?
税金に無関心
これは、私たちサイドの問題です。税金は難しいからわからないものと決めつけて無関心になってしまっています。
最大の原因は、サラリーマンが自分で、自分の税金を計算しなくていいというところにあると思います(年末調整で会社がやってくれます)。
しかも、日本人のサラリーマン比率は、87%です。
大半の日本人が税金を意識することなく、生涯を終えていくのです。
だから、個人的には、年末調整なんていう制度はいらないと思っています。
確かに、会社がやってくれれば、面倒な計算を自分でしなくてすむので便利です。
でも、本当にそれでいいのでしょうか?
他人が計算してくれれば、仕組みをわかろうともしないし、その使い道も知ろうとしません。
独身で年収400万円の人であれば、所得税と住民税でおよそ26万円ほどが税金としてかかります。
26万円の買い物をするのに、値段の検討をしないことがあり得るでしょうか?
面倒だけれども、仕組みを知ることは大切です。
まとめ
大村大次郎さんの「税金を払う奴はバカ!」とう過激なタイトルの本を読みました。
タイトルとは裏腹に、内容はいたってまともです。
入り口は税金ですが、日本という国の社会システムや政治家、官僚を痛烈に批判した本です。
読みやすい本ですので、一読されてもいいのではないでしょうか?
編集後記
庭に出ると蚊に刺されるので、家庭菜園をしばらく放置していました。
今朝、意を決して庭に出てみると、巨大キュウリが!
メロンよりも迫力があります。