舞台鑑賞のススメ
何でも手軽にインターネットで見ることができますが、たまには舞台鑑賞もいいものです。
久しぶりのバレエ鑑賞
バレエを長い間習っていたのですが、あまりバレエを観に行ったことはありません。
バレエのチケットは高いので、学生の頃はお金がなくて観に行けず、社会人になってからは時間がなく、
結婚してからは家族に遠慮していたからです。
「いつか時間とお金ができたら好きなだけ観に行こう」なんて思っていました。
でも、そんなことを言っていたらずっと行くことができなさそうなので、先週、思い切って観に行ってきました。
演目は、地主薫バレエ団の「人魚姫」です。バレエに馴染みのない方は、何それ?という感じだと思いますが、関西では有名なバレエ団です。
演目の「人魚姫」は、地主バレエ団のオリジナル作品です。
「白鳥の湖」や「眠れる森の美女」といった古典の作品は、振り付けも音楽も大体は決まっています。
今回は、オリジナル作品ということで、どんな音楽で、どんな振り付けなんだろう?とワクワクしながら観にいきました。
人魚姫のここが面白い!
想像以上に、楽しい舞台でした。
私が面白いと思った点は、次の3つです。
①悲劇なのに悲しくなりすぎない
②名悪役がいる
③舞台演出がスゴイ
悲劇なのに悲しくなりすぎない
ストーリーは、アンデルセンの「人魚姫」です。
有名なお話なので、書くまでもありませんが、
王子に恋をした人魚姫が、魔女に頼んで人間にしてもらうのですが、恋がかなわず海の泡となって消えてしまいます。
納得のいかない、なんとも悲しいお話です。
でも、悲劇にもかかわらず、華やかで楽しい舞台でした。不思議な感覚です。
幸せで穏やかなものとして、人魚姫のふるさとの海の王国があり、それと対比する形で、人間界が存在します。
親元を離れた人形姫は、人間界で、ひと時の幸せも味わうのですが、失恋も経験します。
人間界のシーンで終わっていたら、「やりきれない…」となるのですが、最後に海の王国へシーンが戻ります。この場面の切り替えが、絶妙で、観ている側に一応の納得感が(心のやすらぎ?)得られるのかなあと思いました。
名悪役がいる
面白いお話には、必ず名悪役が存在します。
スターウォーズのダースベイダー、
ルパン三世の銭形警部、
あんぱんマンのバイキンマンetc.
人魚姫にも、名悪役が登場します。
「魔女」です。脚を上げる代わりに人魚姫の声を奪ってしまいます。
演じていらっしゃたのは、新国立劇バレエ団プリンシパルの奥村康祐さん。
王子様のイメージが強い方だったのですが、はまり役でした。
男性だからこそ演じられるオネエ風の魔女。
意地悪でちょっと間抜けな感じがたまらなく魅力的でした。
さすがです!
舞台演出がスゴイ
ライトの使い方、舞台装置、演出がとても素敵でした。
海の王国は、本当に水の中にいるような気分にさせてくれますし、
王子が遭難する嵐のシーンは、王子が波の中に飲み込まれていく感じがしました。
特に、心を動かされたのは、王子と隣国の王女と結婚し、人魚姫が悲しむシーンです。
王子と王女には明るいスポット、一人悲しむ人魚姫には暗めのスポットライトがあたります。王子と王女の幸せな雰囲気と対比させることで、人魚姫の悲しい気持ちが痛いほど伝わってきました。
生の舞台のならではの感覚ですね。
舞台鑑賞のススメ
最近は、YouTubeで手軽にプロのバレエを観ることができます。
私もスマホで観て、「これで十分やん」と思っていた不届き者ですが、実際に舞台を観るとやはりその迫力に圧倒されてしまいました。
芸術の秋、たまには舞台鑑賞もいいものですね。
ただ、バレエのチケットは高いので、もう少し安いといいなあ~
編集後記
今日は、お休みだったので、子供達をお芋ほりに行ってきました。自宅から車で30分ほどにある貸農園。近くにこんなところがあったのだと新しい発見でした。